今日の国内畜産業は、経済効果最優先の生産基盤拡大・強化が進む一方で、口蹄疫やBSEの発生後、特に「食の安全性」の確立を図るために安全な国内飼料の利用による食料安全保障の確立が求められ、さらに、WTO農業交渉の進展等新たな国際環境のもとで、農業の多面的な機能の発揮やコスト低減による経営の維持安定など農業・農村の持続的発展が求められ、さらには、国内自給率の改善や家畜糞尿処理など環境問題に対処できる資源循環型農業の確立が必要となっている。
このような状況で、足寄町の土地・自然条件に適合した粗飼料の利用率を高め、草食動物である大家畜本来の機能を発揮する放牧利用の一層の拡大を図り、土・草・家畜の資源循環による土地基盤に立脚した放牧を取り入れた循環型農業としての放牧酪農の取り組みは、自然との調和のみならず経営の改善等大きな成果を上げ高い評価を得ている。
また、放牧酪農の取り組みにより、足寄町で放牧酪農を目指す多くの新規就農者が参入するなど、高齢化が進む農村地帯にあって新たな就農形態への動きとなっている。
足寄町は従来の酪農形態に加え、土地条件に適合した持続型草地畜産としての資源循環酪農である放牧酪農を推進することを宣言