Q. 固定資産税はいつからいつまでの期間の税か?
土地を売買するにあたって、買主との間で固定資産税を月割あん分をしようと思いますが、いつからいつまでの期間であん分すればよいのでしょうか?
A. 固定資産税にはいつからいつまでの分という規定はありません。
固定資産税は、毎年1月1日現在において固定資産課税台帳に所有者として登録されている人に対し、その年の4月1日から始まる年度分の税として課税する年税であり、いつからいつまでの期間に対して課税するというものではありません。
したがって、ご質問の場合のように、売主と買主の間で固定資産税をあん分して負担する場合には、そのあん分の割合について当事者間の話し合いによって決めていただくことになります。
Q. 土地・家屋を売却したのに納税通知書が送られてきましたが?
私は、今年の3月に土地と家屋を売却し買主への所有権移転登記も済ませましたが、今年度の固定資産税納税通知書が送られてきました。なぜでしょうか?
A. 1月1日現在に所有している方に課税されるためです。
固定資産税は、毎年1月1日現在の所有者にその年の4月1日から始まる年度分の税として課税されます。このため、年の途中に固定資産の売買等があった場合でも、4月1日現在所有者であった方に固定資産税が課税されることになります。
例えば、1月2日に売買等により所有権移転登記をした場合でも、あくまで1月1日現在に登記簿に所有者として登録されている方に1年分の固定資産税が課税されます。
Q. 地価が下がっているのに土地の税額が上がるのは?
地価の下落によって土地の評価額が下がっているのに、税額が上がるのはおかしいのではないでしょうか?
A. 税負担の調整措置がとられているためです。
地域や土地によって評価額に対する税負担に格差がある(例えば同じ評価額の土地であっても実際の税額が異なる)のは、税負担の公平の観点から問題があることから、平成9年度以降、負担水準(評価額に対する課税標準額の割合)の均衡化を重視することを基本的な考え方とした調整措置が講じられています。
具体的には、負担水準が高い土地は税負担を引き下げたり、据え置いたりする一方、負担水準が低い土地はなだらかに税負担を引き上げていく仕組みとなっています。
したがって、地価の動向に関わりなくすべての土地の税額が上がっているわけではなく、税額が上がっているのは、地価が上昇している場合を除けば、負担水準が低い土地に限られています。
このように、現在は税負担の公平を図るため、そのばらつきを是正している過程にあることから、税負担の動きと地価の動向とが一致しない場合、地価が下落していても税額が上がるという場合も生じているわけです。
Q. 住宅を取り壊したのに固定資産税が高くなったのは?
昨年、古い住宅を取り壊し駐車場にしましたが、固定資産税が昨年度よりも高くなったのはなぜでしょうか?
A. 住宅用地に対する特例措置が適用されなくなったためです。
住宅やアパート等の敷地については、その税負担を特に軽減する必要から課税標準の特例措置が設けられています。
この特例を受けるためには、1月1日現在において土地を住宅の敷地として利用していなければなりません。
住宅を取り壊したことにより、土地の利用状況が住宅の敷地ではなくなったため、今年度はこの特例が適用されないことになります。
したがって、税額が高くなったのは、住宅にかかっていた税額の減少分よりも土地の税額の上昇分の方が大きかったためと思われます。
Q. 家屋の税額が年々下がらないのは?
私の住んでいる家屋は、年々古くなってきていますが、なぜ家屋の税額は下がらないのでしょうか?
A. 家屋の評価額は建築物価等の影響を受けるためです。
家屋の評価額は、3年ごとの評価替えで見直されます。
評価額は、対象となった家屋と同一のものを評価替えの時点において新築する場合いくらになるのかという「再建築価格」に、家屋の建築後の年数の経過によって生じる損耗の状況による減価等をあらわした「経年減点補正率」を乗じて求められます。
このため、建築物価等の上昇などに伴う再建築価格の上昇率が「経年減点補正率」を上回っている場合には、建物が古くなっても評価額は上がり、その逆ならば下がることになります。
ただし、評価額が上がれば税額も高くなってしまいますので、評価額が上がる場合には、前年度の評価額をそのまま据え置くこととされています。
建築年の古い家屋については、過去に建築費の上昇が続く中、評価額が据え置かれていたこともあって、近年の建築資材価格等の下落を加味した評価額であっても、以前から据え置かれている価格を下回るまでにはいたらず、評価額が下がらないといったことがあります。
このようなことから、家屋の固定資産税は、必ずしも年々下がるわけではないのです。
Q. 固定資産税が急に高くなったのですが?
平成27年9月に住宅を新築しましたが、平成31年度分から税額が急に高くなっています。なぜでしょうか?
A. 昨年度で新築住宅の減額措置(3年間)が終了したためです。
新築の住宅に対しては3年間の固定資産税の減額措置が設けられており、一定の要件にあたるときは、新たに固定資産税が課税されることとなった年度から3年度分に限り、税額が2分の1に減額されます。したがって、平成28、29、30年度分については税額が2分の1に減額されていたわけです。
Q. 家屋を取り壊したのに固定資産税が課税されていますが?
今年の3月に家屋を取り壊しましたが、今年度の固定資産税が課税されています。なぜでしょうか?
A. 1月1日現在に所有する家屋に課税されるためです。
固定資産税は、毎年1月1日現在の所有者にその年の4月1日から始まる年度分の税として課税されます。このため、今年3月に家屋を取り壊した場合でも、今年度の固定資産税が課税されることになります。
なお、家屋を取り壊したときは法務局で滅失登記の手続きが必要となります。未登記の家屋の場合は窓口に「固定資産(未登記家屋)異動届出書」を提出してください。
Q. 償却資産の申告は何を申告するの?
償却資産申告書が送られてきましたが、何を申告すればよいのですか?
A. 事業のため使用している資産を申告してください。
会社や個人で工場・事務所・店舗などを経営される方が、事業のために使用している構築物・機械・器具および備品などの資産を償却資産といい、土地や家屋と同じように固定資産税が課税されます。
具体的には、舗装路面・門・塀・広告塔・緑化施設などの構築物や建物附属設備、各種製造設備の機械および装置、パソコン・陳列ケース・看板・測定工具・金型などの器具および備品などの資産です。
毎年1月1日現在に償却資産をお持ちの方は、毎年1月31日まで申告しなければならないことになっています(地方税法第383条)。
Q. 所有している償却資産がわずかでも申告が必要か?
該当する資産がわずかにありますが、免税点未満で課税にならないと思われます。この場合でも申告が必要でしょうか?
A. 申告が必要です。
償却資産の所有者は、毎年1月1日現在における償却資産について、種類、数量、取得時期、取得価額、耐用年数などを1月31日まで償却資産の所在する市町村長に申告しなければならないことになっています(地方税法第383条)。
このため、所有している償却資産がわずかな場合や免税点未満と思われる場合であっても申告が必要です。
Q. 法定耐用年数を経過した古い償却資産は?
法定耐用年数の経過した古い償却資産は、申告および課税の対象になりますか?
A. 1月1日現在に事業のために使用できる資産は申告および課税の対象です。
償却資産の課税対象は、現在使用している資産はもちろんのこと、一時的に稼働を停止している遊休資産などであっても使用できる状態にあるものも対象となります。
しかし、将来ほかに転用する見込みもないまま撤去されない状態にある用途廃止資産については、課税の対象になりませんので申告する必要はありません。申告済みの場合は減少の申告をしてください。
なお、償却資産の評価額の最低限度額は取得価額の5%の額ですが、耐用年数が経過したからといって、直ちに5%の額になるわけではなく、毎年定率法による減価償却計算を繰り返し、取得価額の5%を下回った年から5%の額に据え置かれます。