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取り立て屋 | 足寄町教育委員会

もう先月の話であるが、小学生の子ども達といちご狩りに行ってきた。毎年行われているチャレンジクラブという事業で、毎回最終日にバスで課外活動を行うことになっている。 例年であれば十勝管外に出て活動を行っていたのだが、今年はコロナウイルスの影響で町内での活動となった。

今回の行程は郷土資料館の見学の後にいちご狩りに行くことになった。そこでお楽しみの仕掛けとして郷土資料館ではクイズラリーを行い、クリア報酬としていちご狩り券を配布した。

いちご狩り券

このいちご狩り券であるが、教育委員会で作成したものであり正規の券ではない。しかしこれをもらった子供たちは非常に大切そうに持ち歩いていた。そんな中である。

「先生は券を持っているの?」優しい女の子(ここではAちゃんとしておこう)が私に気をかけてくれた。
「もってないんだ。いちご狩りができるみんながうらやましい。」
「そうなんだ...」
急に走り出すAちゃん。
何をするんだろうと思っていたら、束の間にAちゃんは戻ってきた。
「これあげる!」
券を持ってきてくれた。でもどこから調達してきたんだろう。一人一枚のはずなんだけど。
「ありがとう!でもこの券はどうしたの?」
「B君からもらったの!」
もらった...B君の行動は涙ぐましいが、券を失った彼はどうするのであろう。
「そしたら、B君がいちご狩りできなくなっちゃうんじゃない?」
「B君もできるよ!たくさん持ってるの!」
たくさん...あたりを見回すと、すぐそこにB君がいた。事情聴取だ。

「B君はたくさん券を持ってるね。それはどうしたの?」
「余ったのを集めたんだよ!」
「余りだったのね。でもいっぱい集めてどうするのさ。」
「何回もここにきていちご狩りするの!」
発想は素晴らしすぎる。ただ、その券の有効期限は今日までだ。もう昼前になっている。 午後いっぱい家といちごハウスを往復する気なのか。そもそも、先にも述べたが今だけしか使えない魔法の券なのである。
何とも心苦しいが、回収しないといけない。
「悪いんだけどさ、その余った券をもらってもいい?」
「うーん...いいよ...」
思ったよりも聞き分けが良かったため、なおさら心を痛めた。 ごめんね、B君。

いちごたちの様子

そんなこんながあったため帰りのバスは非難囂々であった。
「先生だけたくさん持ってずるい!」
「Bくんがかわいそう!」
「私にも一枚ちょうだい!」
取り立て屋の風当たりはいつの時代も強いのである。

P.S.あっちむいてほいで皆には許してもらいました。

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