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推し、休む。 | 足寄町教育委員会

文学賞のひとつに「芥川賞・直木賞」がある。名誉ある賞だけどなんだか難そうなイメージが強くて、読むことを懸念されることが多いようだが、池田町出身の西條奈加さんが第164回直木賞を受賞したことで、十勝ではちょっとした直木賞ブームが起こっている。足寄町図書館でも受賞作「心淋し川」は予約しなければ借りることができないほど人気の一冊。

ということで、十勝では芥川賞よりも直木賞が注目されているが、芥川賞受賞作「推し、燃ゆ」も負けず劣らず世間では話題になっていることをご存知でしょうか。史上3番目に若い21歳で受賞したことはもちろん、受入られているのはこのタイトル「推し」にあり。

「推し(おし)」とは、他の人にすすめること。また俗に、人にすすめたいほど気に入っている人や物。アイドルグループの中で最も応援しているメンバーを意味する「推しメン」が流行したことから、多く、アイドルや俳優などについていう。(引用:goo辞書)

「推しが燃えた。ファンを殴ったらしい」から始まるこの本は、なぜ殴ったのか、なぜ炎上したのかということに重要性はあまりない。生活がままならない主人公が、推しを全てとする生き方を描いたこの作品。アイドル好きには、この推しを全てとすることに共感できる部分もあると思うが、興味がない人には理解できない心情だと私は思う。

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 昨年12月に休止を発表した某アイドルグループが好きな私も例外ではないが、彼らが生活の全てとは思わない。他に楽しいこともあるし、やりたいこともある。でも、グループで唯一芸能活動を休止しているメンバーが推しの私は、彼がテレビの画面をはじめ、あらゆる媒体から姿を消して一ヶ月半。生活の全てではないと言い切るものの、なんとなくロスを感じる日々を過ごしている。好きなことがあるから頑張れる、潤いがある、楽しいと感じることは恥ずかしいことではない。無気力で生きているよりよっぽど健全だ。行き過ぎなければ、好きなことに打ち込む姿は素敵だと受け入れられる、価値観の違いを認め合える世の中になることを願わずにはいられない。

 推しが休んだ。しばらく自由に生活したいらしい。

第164回芥川賞受賞作でもあり、本屋大賞2021ノミネート作品でもある「推し、燃ゆ」宇佐見りん・著 河出書房新社 ぜひ、読んでみてください。

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