「臨床検査技師」を知っていますか?
臨床検査技師って皆さんあまり聞き慣れない言葉ですよね・・・。
もしかすると初めて耳にする人もいるかも知れませんね・・・。
でも、実は皆さんとの関りは幼い頃からあるんです。
「そんな仕事知らない!」って思ったあなた。小学校で心電図、検尿やぎょう虫検査の青いセロファンの検査など、覚えはありませんか?
私達、臨床検査技師は病院や検査センターで、血液や尿の検査、心電図などの検査を行う者です。
「臨床検査技師」のお仕事
病院に行くと、医師の診察のもとに血液や尿を採取します。これらの血液や尿の成分を分析したり、細菌やウイルスがいないか、赤血球や白血球の数や種類を調べたりします。もちろん、患者さんそれぞれの病状にあった検査項目の依頼があり、その種類は1000項目以上になります。また患者さんの心電図や脈波を記録するのも私たちの仕事です。この検査の結果をもとに、医師の的確な診断・治療、さらに病気予防のアドバイスがなされるのです。
足寄町国民健康保険病院検査科について
当検査科は、地域医療の一端として患者さまの健康状態把握に必要な検査を実施しています。
その各種検査のデータを診療部門に提供し患者さまの診断や治療効果の判断の一助となるべく、日夜努力をしています。
また地域町内の患者さまの検査はもちろん、各事業所健康診断や特定健診、生活習慣病予防健診、町内小中学校の尿・心電図検査等も積極的に行っております。
当検査室設置機器
血液検査 XN550(Sysmex)
生化学検査 TBA120FR Sora Edition(Canon)
免疫検査 LUMIPULSE G1200(富士レビオ)
尿検査 CLINITEK Advantus(SIEMENS)
血液ガス ABL9(RADIOMETER)
生理検査 心電図検査 FCP8321(フクダ電子)
血圧脈波検査 VS-2500 Vasera(フクダ電子)
肺機能検査 SP-370COPD肺Per(フクダ電子)
当院では、地域医療を担う病院として、いたずらに処理能力を追うのではなく、検査室内全体の効率的な動線も考慮しながら日々のメンテナンスにおいても比較的簡易な器械を導入するなど、必要にして十分な検査体制を整えています。
また、森林産業の盛んな地域の病院として振動病患者さまの労災認定検査を実施しています。
各部門へは検査データ照会を導入、これにより患者さまの検査結果を各科で利用する事が出来ます。
以上の機器とシステムの構築により、一般検体・緊急検体及び検診等の報告において「正確・確実・迅速」な対応が出来るよう努力しております。
技師2名、助手1名の小さな検査室ですが、地域の患者さんとの対話を大切にしながら毎日忙しい日々を過ごしております。
当検査室で行っている主な検査
〇尿の検査
(1) 尿量、尿の外観(色調、混濁)、比重、PH 等。
(2) 蛋白、糖、ウロビリノ-ゲン、ビリルビン、アセトン体、潜血、白血球反応 等。
(3) 尿の顕微鏡検査等。
これらにより、膀胱炎がないか 腎臓からの出血がないか 糖尿病の可能性がないか 腎臓の炎症がないか等調べます。
〇血液の検査
血球数算定検査
「血液」は体の中の血管をぐるぐる回っている赤い液体で、体重の約1/13(8%)をしめています。
これを顕微鏡で観察すると、たくさんの細胞(血球)が液体の中に浮かんでいます。
つまり血液は単なる液体ではなく、血球という有形成分と、これを浮かべている液体の無形成分からなっています。血球は、その性状により赤血球、白血球、血小板に分けられます。血球数算定検査はそれぞれの血球の数や大きさを測定し異常がないかを検査します。
〇生化学検査
生化学検査って何?
これは 主に血液の中の液体(無形)成分を検査します。
この中には、心臓や肝臓・腎臓などからでる色々な蛋白や酵素が含まれています。つまり、血液は全身を回っているうちに体の色々な場所から出される異常信号を集めているのです。それを調べるのが生化学検査です。
具体的な項目としては次のようなものがあります。
蛋白、窒素化合物
血清総蛋白、アルブミン、 尿素窒素、 尿酸、クレアチニン等
〇脂質の検査
総コレステロ-ル、 HDL(善玉)コレステロ-ル、 中性脂肪、 LDL(悪玉)コレステロ-ル
〇酵素活性の検査
トランスアミナ-ゼ (AST 、 ALT)、アルカリホスファタ-ゼ、アミラ-ゼ、 クレアチンキナ-ゼ
乳酸脱水素酵素 LDH、 コリンエステラ-ゼ等
〇その他の検査
血糖、HbA1c等、Feritin 、B2-MG
当院では以前までHbA1cを専用器械で測定しており、試薬などもやや高価なものでしたが、現在は生化学分析器で測定する仕様に変更しコスト削減にも取り組んでおります。
〇ホルモン・腫瘍マーカー検査
身体の中にある臓器からは様々なホルモンがでます。その臓器が元気をなくしたり、逆に元気があり過ぎるとホルモン分泌量が変化します。そのホルモン分泌量の変化により、体重増加、減少、動悸、息切れ、めまい、疲労、高血圧、高血糖、など様々な症状がでます。
当院実施項目...FT3、 FT4 、TSH 、BNP、 W-PTH
臓器に悪性の腫瘍ができると、ある種の蛋白が作られる事があります。これを腫瘍マーカーと呼びます。これを調べる事により、早期には自覚症状のでない種類の悪性腫瘍の早期発見にも役立ちます。(膵臓ガン・CA19-9を検査など)
ただし、腫瘍マーカーは悪性腫瘍以外でも高い数値を示すことがあります。
「腫瘍マーカー高値 = 悪性腫瘍」ではありません。
当院実施項目...CEA 、CA19-9、 AFP、 PSA 、CA125
〇生理検査
生理検査とは?
患者さまを相手に「直接その場で」行う検査を生理検査といいます。
当院で行っている検査は
・心電図 ・ホルター心電図
・肺活量 ・ 聴力 ・サーモグラフィー
・血圧脈波検査(ABI)
俗に「血管年令」と呼ばれる検査です。この検査は、血圧が高いと血管年齢が高くでる(正しく測定できない)器械が普及していますが、当院では血圧の影響を最小限に抑えた器械を導入しています。
他施設で、「血管年令が高い」と言われた事がある方!一度検査受けてみませんか?
〇ホルター心電図
長時間(24時間)続けて心電図を記録するのがホルター心電図です。一昔前にこの検査を受けた事がある方は判ると思いますが、「器械つけている間、普通に生活していいよ」って言われてもかなり邪魔なものでした。当院では、軽量・コンパクトで防塵・防水機能付きの器械を使用していますので、シャワーや入浴も装着したままで利用でき、いつもと同じ生活を送ることができます
感染対策委員会
院内感染とは、病院内にて新たな細菌やウィルスなどに感染することです。
院内感染は、人から人または医療器具などを介して感染します。また、免疫力の低下した患者さんや高齢な患者さんなどは通常の病原微生物だけでなく、感染力の弱い細菌でも院内感染(日和見感染)を起こす場合があります。また、日和見菌のなかには耐性菌といって、抗生物質が効かない、あるいは効きにくいMRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)などによる院内感染が社会問題となっています。院内感染対策委員会は、院内感染対策を講じ、患者さんの安全および職員の健康を守るために活動しています。
1.委員会の目的
院内感染対策活動を推進し、患者さんの安全および職員の健康を守ることを目的とします。
2.委員会の活動内容
・ 院内感染対策マニュアルの作成・更新、実践の推進
・ 月1回の委員会の開催
・ 週1回の院内感染発生状況の報告
・ 感染に関する院外情報の収集・フィードバック
・ 院内教育(研修会の開催)